本プロジェクトは、大学や専門学校などのアカデミックな環境やビジネス場面以外の職場で、外国人の方が必要とされる日本語能力とは何かを明らかにすることを目的にしています。
そのために、職場や研修の場面での日本語のコミュニケーションの実態を調査し、そうした場面で必要とされる外国人の方の日本語能力の評価基準として活用できるCDSを策定することを目指しています。
Can Do Statementsとは、言語活動能力を「~ができる」というかたちで記述するものです。
職場において能力を可視化するCDSを導入することにより以下のことが可能になります。
日本に住む外国人の数は年々増加し、滞在目的も多様化しています。これは1990年の入管法改正、外国人研修制度改正等にともない、就労の現場における外国人受け入れの門戸が開かれたことによって始まり、2006年以降は看護・介護の分野における受け入れが行われ、その動きは建設、家事代行などにも広がっています。
一方、すでに日本で暮らしている定住外国人には、日本人配偶者をはじめ、就労に制限のない在留資格を持つ人も多く存在します。
しかし、それらの人々は仕事が特定の業種に限られるなど、厳しい雇用状況に置かれているのが現状です。その原因の一つが職場において求められる能力を示す指標がないことです。そのため、外国人にとっても、雇用者にとっても就労に必要な能力やコミュニケーション能力が不明確となり、求職や求人が困難になっているのです。
このような状況を打開するため、外国人の生活一般や就労に必要な言語能力指標として近年Can Do Statementsが活用されています。
本プロジェクトでは就労の現場における調査によって、職場での能力指標(Can Do statements)を策定し、その指標を基盤とした外国人の就労支援プログラム、及び外国人就労支援プログラムを開発します。
このように調査から能力指標の策定、支援プログラムの開発・実施までを、就労の現場との連携において行うのものは、他に例を見ません。
また、外国人だけでなく、外国人を受け入れる職場への支援を行う点も独自性の高い試みです。
対話を重視した職場支援プログラムの開発と実施のプロセスは、対話に参加する研究者も含め、外国人や職場で働く他の人々の認識を変化させていくプロセスともなるでしょう。
多文化化が進む日本社会においては、前提を共有しない相手と対等な関係を築き、ともに社会を創るために変化が求められています。
対話を開く職場支援プログラムの開発は、職場に関わる人々の認識を変え、外国人が安心して働ける場を創り、外国人の活躍の場を広げることを支援します。
そのような意味において多文化共生社会の実現に貢献するものです。
職場の日本語プロジェクトは
の3チーム体制で、大学教授、大学講師、大学研究員など8名が活動しています。
※さらに専門家、外国人支援団体、外国人の雇用に関して理解のある職場と連繋協力してプロジェクトを実施します。
このプロジェクトは、文部科学省 科学研究費助成事業 に採択されています。
<科学研究費 基盤研究(C)>
外国人就労フィールド調査と「職場の日本語能力指標」及び「支援プログラム」の開発
推定分野:人文科学 / 言語学 社会科学 / 教育学
研究期間:2017年度~2019年度 (H.29~H.31)
配分総額:4,160,000 円
代表者:大平 幸 立命館大学 国際教育推進機構 嘱託講師(*1)
(*1)採択時の情報。2019年4月〜山梨学院大学 特任講師
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